シフト制で働いていた頃、休みの日をGoogleカレンダーへ1日ずつ入力することを面倒に感じていました。
「複数の休みをまとめて登録できたら便利なのに」
その小さな困りごとをきっかけに、プログラミングを学んだ経験のない私が、AIに相談しながらカレンダーアプリを作り始めました。
思いどおりに動かないことや、クローズドテスト、本番公開の申請、OAuthの確認などで何度もつまずきました。それでも、最終的には「まとカレ」をAndroidとiOSの両方で公開できました。
この記事では、アプリを作ろうと思ったきっかけから、AIとの試行錯誤、審査でつまずいたこと、実際に公開するまでの過程を紹介します。
この記事でお伝えすること
・プログラミング未経験からアプリを作った過程
・クローズドテストでつまずいたこと
・AIに助けられてリリースできた体験
きっかけは、シフト制の休みの入力が面倒だったこと
病院に勤めていた頃、私の勤務はシフト制でした。
休みの日がバラバラで、決まった曜日に休めるわけではありません。
もともと手書きのスケジュール帳を使用していましたが、IT化が進む中、そろそろ私もスマホでの予定管理に移行しようと決めました。
Googleカレンダーで予定を管理しようとすると、休みの日を1日ずつ入力していく必要がありました。

休みを1日ずつ入力するのは面倒!
そんなとき、知人から「AIを使えば、思っているよりも簡単にアプリが作れるようになってきている」と聞きました。その人自身もAIを使ってアプリを作っていて、作りたいものがあればAIに聞きながら形にできる、という話をしてくれました。

スケジュール管理がもっと楽にできるかも!
自分の困りごとを、解決できるかもしれない。
そう思ったのがきっかけでした。
「まとカレ」というアプリについて

複数の日付を選んで、Googleカレンダーへまとめて登録できるアプリです。
作ったのは「まとめてカレンダー入力‐まとカレ」というアプリです。
Googleカレンダーと連携していて、休みなどの予定を複数日まとめて選択し、一度に登録できるようにしました。
1日ずつ入力していたのを、まとめて済ませられるようなアプリにしました。

複数の日付を選び、予定名や色を設定できる入力画面です。
アプリには「プレビュー機能」をつけました。
登録する予定が、すでにスケジュール上にある予定と重なっている場合、プレビューでそれが分かるようにしています。

登録予定と既存の予定が重なる場合に、警告と予定一覧が表示されるプレビュー画面です。
プレビューの画面からは、登録前の予定を消したり、Googleカレンダー側の予定を削除・変更したりすることもできます。
作り始めてみて分かったこと
専門知識がないところからのスタートだったので、最初はAIに相談しながら手探りで進めていきました。
ここで苦労したのが、自分が思い描いていたものと、実際にAIが作ってくれたものが違うことが多かったということです。
言葉で説明したつもりでも、出来上がったものを見ると「思っていたのと違う」ということが何度もありました。
私はアンソロピック社のClaudeというAIを使っていました。
Claudeではプレビュー画面をみることができ、実際にAIが作ったアプリを試しながら、アプリの動きを掴んでいくようにしました。
そのうえで、想像と違うと感じた部分を修正してもらう。確認・修正…とこの繰り返しでした。
正直、何回繰り返したか数えられるレベルではありません。
それくらいの回数、AIとのやり取りを重ねながら少しずつ形にしていきました。
クローズドテストでつまずいた話
私が使ったGoogle Playの個人開発者アカウントは、2023年11月13日以降に作成されたアカウントだったため、アプリを一般公開する前にクローズドテストが必要でした。
現在の公式案内では、新しく作成した個人アカウントは、少なくとも12人のテスターが14日間連続で参加するクローズドテストを行い、その後、本番公開を申請します。
詳細は、Google Play「新しい個人デベロッパーアカウントのアプリテスト要件」をご確認ください。
1回目の本番公開申請は、残念ながら通りませんでした。
理由を正確に判断できなかったため、届いた英文メールをAIに読んでもらい、考えられる原因を整理しました。
その結果、試用してもらっただけで、テスターの感想や、それをもとに改善した内容を十分に説明できていなかった可能性があると考えました。
そこで2回目は、ほぼ全員から感想をもらい、必要に応じて対応策も含めて返答するようにしました。
これはGoogleが「2文以上の返信」を定めているという意味ではなく、私がテストの内容や対応を具体的に伝えるために行った方法です。
結果、2回目の申請で本番公開へのアクセスが認められました。人数をそろえるだけでなく、実際に使ってもらい、気づいた点を改善することが大切だと感じました。
参加者を集める大変さ
クローズドテストのためには、実際に使ってくれる人を探す必要がありました。これが思っていたよりも大変でした。
私の場合は、職場や学生時代の同級生など知り合いに声をかけて協力してもらいました。
なかなかAndroidを使っている方が身近にいないときには、ココナラなどの有料のスキル相談サービスを使用してテスト参加者を探すという方法をとる人もいるようです。
ただし、有料サービスを利用して人数をそろえれば、必ず本番公開が認められるわけではありません。実際にアプリを使ってもらい、感想を集め、その内容を改善へ反映することが重要です。
また、リリースには費用もかかりました。Androidは登録に25ドル(一度きり)、iOSは年間99ドルの更新料がかかります。
この金銭的な条件は、正直リリースするかどうか迷う原因にもなりました。
それでも、作ってみたい気持ちの方が勝って、結局リリースに踏み切りました。
※費用は2026年7月時点の情報です。最新の金額は各公式サイトでご確認ください。
伴走してもらったけれど、うまくいかなかった話
自分だけでは分からないことも多く、有料のスキル相談サービスで2人の方に、お金を払って伴走をお願いしたことがあります。
1人目はAndroidアプリのリリース経験がある方でしたが、私が必要としていたOAuth認証(アプリ内でGoogleのアカウントを使ってログインする仕組み)の部分については分からず、そこでつまずいてしまいました。
2人目はWebアプリを作っている方で、一緒に作業を進めてくれました。
ただ、エラーが繰り返し出てしまったり、直した後に別の動作がおかしくなったり、お試し版ではうまくいってもリリース版にすると動かなくなったりと、次々にトラブルが重なりました。
それに加えて、本業や転職活動で私自身の作業が中断してしまったことも重なり、なかなか前に進みませんでした。
AIの進歩に助けられた話
私がなかなか修正できなかった問題も、AIの進歩によって解決に向かうことがありました。
2026年に登場したClaudeのFable 5というモデルが使えるようになったことが、かなり大きな手助けとなりました。
Fable 5を使うようになってから、それまでエラーを繰り返していた部分がスムーズに解決し、作業がどんどん前に進み始めました。
私の場合は、Googleカレンダーとの連携に使用するOAuthの確認手続きで、アプリの機能や認証の流れを示すデモ動画の提出を求められました。
しかも、やり取りの相手は英語圏のスタッフ。
説明文もメールも英語にする必要がありました。
AIによって、撮影した動画に審査に必要な部分が含まれているかを判断したり、必要な説明文やメールの文章作成までできてしまいました。
アプリのリリースが近づいていることが実感できて嬉しかったとともに、「ここまでできるのか」とAIの進歩に驚いた出来事でした。
※AIへスクリーンショットやエラー内容を共有する場合は、個人情報、カレンダーの予定、APIキー、認証情報などが含まれていないか確認する必要があります。
AIを利用するときの情報管理については、リハビリ職が生成AIを使う前に知っておきたい6つの注意点でもまとめています。
まとめ
プログラミング未経験の私でも、AIに相談しながら試行錯誤を続けることで、「まとカレ」をiOS・Androidの両方で公開できました。
ただし、AIに任せれば自動的に完成したわけではありません。
思いどおりに動かない部分を確認して修正し、テスターの感想をもとに改善し、審査に必要な説明を一つずつ準備する必要がありました。
今回の経験から分かったのは、専門知識がなくても、小さな困りごとを言葉にし、AIや周囲の力を借りながら試し続ければ、形にできる可能性があるということです。
この記事が、「自分にも作れるかもしれない」と一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。



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