作業療法士は65歳まで働ける?副業で別の働き方を試す理由

作業療法士は65歳まで働ける?今から別の働き方を試す理由 副業・働き方

移乗介助をしながら、分刻みのスケジュールをこなす毎日。

筆者
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今は働けているけど…

この働き方を10年後も続けていけるかな?

私は作業療法士として働く中で、少しずつ体力的な負担を感じるようになりました。

だからといって、作業療法士を辞めて、いきなり未経験の仕事へ転職するのも不安です。

そこで考えたのが、今の仕事を続けながら、副業という小さな形で「別の働き方」を試しておくことでした。

この記事では、作業療法士の勤務先や年齢別の協会会員数、副業に関する調査を手がかりに、65歳まで働くための準備について考えます。

協会会員の約7割は医療・介護分野で働いている

2024年度の日本作業療法士協会の統計によると、会員63,352人のうち、医療関連で働く人は35,576人で、全会員の56.2%でした。介護関連で働く人も9,105人で、全会員の14.4%です。

医療と介護を合わせると、全会員の約7割になります。

さらに、勤務分野を確認できる会員49,324人のうち、病院で働く人は34,016人で、69.0%を占めていました。

一方、協会の統計で「リハビリ関連企業」に分類された人は90人、「一般企業」は104人でした。

出典:日本作業療法士協会「2024年度日本作業療法士協会会員統計資料」

この統計から、現在も多くの協会会員が、病院をはじめとした医療・介護分野で働いていることが分かります。

ただし、勤務先の数字だけで、「作業療法士の仕事は体力的にきつい」と判断することはできません。

仕事内容や身体的な負担は、職場や担当業務によって異なります。

それでも、移乗介助や立った状態での訓練、単位数を意識した分刻みのスケジュールなど、身体を使う場面が多い職場があります。

私自身も、作業療法士として働く中で、体力的な負担を感じてきました。

では、協会会員数は、年齢とともにどのように変化しているのでしょうか。

30代以降、同じ世代とみられる協会会員数の減少幅が大きくなっていた

日本作業療法士協会が公表している年齢別会員数を使い、2014年度と2024年度のおおむね同じ世代を比較しました。

ここでは、2014年度の各年代が、約10年後の2024年度には一つ上の年代へ移ったものとして比べています。

10年間の年代変化会員数の変化増減
21〜30歳 → 31〜40歳21,525人 → 21,901人+1.7%
31〜40歳 → 41〜50歳19,051人 → 15,978人−16.1%
41〜50歳 → 51〜60歳6,726人 → 5,369人−20.2%
51〜60歳 → 61〜70歳1,751人 → 956人−45.4%

※2014年度は、厚生労働省資料に掲載された各年代の「就業者」と「休業者」を合計して会員数を算出しています。2024年度は、日本作業療法士協会の年齢別会員数を使用しました。

21〜30歳から31〜40歳にかけては、協会会員数が約1.7%増えており、ほぼ横ばいでした。

一方、31〜40歳から41〜50歳では約16%、41〜50歳から51〜60歳では約20%、51〜60歳から61〜70歳では約45%少なくなっています。

今回の比較では、年代が上がるにつれて、同じ世代とみられる協会会員数の減少幅も大きくなっていました。

出典:厚生労働省「作業療法士を取り巻く状況について」日本作業療法士協会「2024年度日本作業療法士協会会員統計資料」

ただし、これは協会会員数の変化であり、作業療法士を辞めた人や、働けなくなった人の割合を示すものではありません。

また、同じ人を10年間追跡した調査ではなく、2014年度と2024年度の年代別会員数を比較したものです。

協会の退会や未加入、休業、会員情報の未更新などによっても、会員数は変化します。2024年度の協会加入率は、推計有資格者の約53.5%でした。

さらに、2014年度の資料には、60歳以上では多くの作業療法士が定年を迎えるため会員数が大きく減少しており、就業率は参考値であるという注意書きがあります。

したがって、今回の比較だけで「年齢とともに作業療法士として働けなくなった」「作業療法士は65歳まで働けない」と結論づけることはできません。

それでも、年齢が上がるにつれて、同じ世代とみられる協会会員数の減少幅が大きくなっている数字を見て、私はこれからの働き方について考えるようになりました。

筆者
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作業療法士という仕事は好き!

だからこそ、無理なく長く続けられる働き方を見つけたい。

そう思ったことがきっかけで、今の仕事を続けながら、別の働き方も少しずつ試しておきたいと考えるようになりました。

65歳まで働ける制度はあるが、同じ条件とは限らない

高年齢者雇用安定法では、事業主に対し、65歳までの雇用を確保するための措置が義務づけられています。

ただし、すべての職場で定年が65歳になるという意味ではありません。

65歳までの定年引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止のいずれかによって、雇用機会を確保する仕組みです。

また、日本作業療法士協会の2025年度調査では、回答者の勤務先の定年年齢は「60歳」が56.0%、「65歳」が33.6%でした。

定年後の再雇用制度が「ある」とした回答は76.2%です。

この結果から、作業療法士が65歳まで働く道はあると考えられます。

ただし、再雇用後の仕事内容、勤務時間、給与などが、それまでと同じとは限りません。

自分の勤務先の就業規則や再雇用制度を確認しておくことが大切です。

出典:厚生労働省「高齢者雇用対策ポータルサイト」、日本作業療法士協会「作業療法士の職場待遇に関する2025年度調査 結果報告」

今と同じ働き方を続けられるとは限らない

年齢別の会員数が減っているからといって、作業療法士として65歳まで働けないとは限りません。

身体的な負担の少ない職場へ移る、勤務時間を短くする、管理職や教育に携わるなど、これまでの経験を生かす方法もあります。

ただし、誰もが今と同じ職場、仕事内容、勤務時間のまま働き続けられるとは限りません。

病気やけがだけでなく、家族の介護や生活環境の変化によって、仕事に使える時間や体力が変わる可能性もあります。

作業療法士を続けるか、別の仕事へ転職するか。

その二つだけでなく、現在の仕事を続けながら別の仕事を小さく試す方法もあります。

その選択肢の一つが、副業です。

調査では、回答した作業療法士の約5人に1人が副業をしていた

日本作業療法士協会は、2025年に「作業療法士の職場待遇に関する調査」を実施しています。

協会のデータベースから性別・年齢別に無作為抽出した会員4,000人を対象に行われ、984人から回答がありました。回答率は24.6%です。

その結果、副業をしている人は21.6%、副業をしていない人は78.4%でした。回答者のおよそ5人に1人が副業をしていたことになります。また、職員の副業を認めている職場は40.0%でした。

出典:日本作業療法士協会「作業療法士の職場待遇に関する2025年度調査 結果報告」

この結果から、「作業療法士全体の21.6%が副業をしている」と断定することはできません。

回答者は協会会員であり、回答した人の年齢や勤務形態にも偏りがあります。

実際に、回答者の98%が常勤で、資格取得後20年以上の人が半数を超えていました。

そのため、この記事では「調査に回答した作業療法士の21.6%」として扱います。

それでも、約5人に1人が本業以外の仕事をしているという結果は、私が想像していたよりも多いものでした。

どのような副業をしているのかは分からない

今回公表されている調査結果には、副業の具体的な仕事内容や、それぞれの仕事をしている人の割合までは掲載されていません。

そのため、「作業療法士の副業は訪問リハビリが最も多い」「リハビリ関連の仕事が大半を占める」といったことは、この調査だけでは分かりません。

私の周囲では、訪問リハビリのアルバイト、自費のセッション、整体やパーソナルトレーニングなど、リハビリの資格や経験を生かした副業をしている人の話をよく聞きました。

ただし、これはあくまで私の周囲で見聞きした範囲の話です。

リハビリ関係の副業には、これまでの知識や技術を使いやすいというメリットがあります。

新しい分野を一から学ぶよりも始めやすく、経験を積むことが本業にも役立つかもしれません。

一方で、本業でも身体を使い、休日の副業でもリハビリを行う働き方になることがあります。

働く時間を増やすほど収入は増えても、休む時間は減っていきます。

皆がしている仕事や始めやすい仕事が、そのまま自分にとってのおすすめになるわけではないと思います。

副業の目的によって、選ぶ仕事は変わる

副業をする目的は、人によって違います。

  • できるだけ早く収入を増やしたい
  • 作業療法士の資格や経験を生かしたい
  • 在宅で働きたい
  • 本業とは異なるスキルを身につけたい
  • 将来の働き方の選択肢を増やしたい

資格を生かして早く収入を得たい場合は、リハビリ関連の副業が合っているかもしれません。

一方、体力に頼らない働き方を身につけたい場合は、これまでとは異なる分野を小さく試すことも選択肢になります。

大切なのは、よく紹介されている副業をそのまま選ぶことではなく、自分が副業に何を求めているのかを考えることではないでしょうか。

いきなり転職せず、副業で別の働き方を練習する

別の働き方を身につけるために、すぐに転職する必要はないと思います。

未経験の仕事が自分に合うかは、実際にやってみなければ分かりません。

収入や職場環境が大きく変わる転職には、不安もあります。

副業であれば、現在の仕事と収入を維持しながら、小さく試すことができます。

思っていた仕事と違った場合には方向を変えられますし、自分に合うと分かってから少しずつ仕事を増やすこともできます。

私にとって副業は、すぐに大きく稼ぐためだけのものではありません。

今の仕事を続けながら、別の働き方を練習する場所でもあります。

そこで私は、資料作成、動画編集、ブログ、AIの活用など、パソコンを使って在宅でもできることに少しずつ挑戦してきました。

最近では、オンライン秘書という働き方にも興味を持ち、実際に応募しています。

リハビリ以外の副業を考えるようになった経緯や、これまで試した仕事については、以前の記事にも書いています。

リハビリ職の副業がリハビリ関連ばかりという話

最後に:65歳まで働くために、働き方を選べる準備をしておく

作業療法士として65歳まで働く道はあります。

ただし、今と同じ職場、仕事内容、勤務時間、給与のまま働き続けられるとは限りません。

だからこそ、体力や生活の変化に合わせて働き方を選べるよう、早いうちから別の選択肢を試しておくことが大切です。

大切なのは、「65歳まで働けるか」を今決めることではなく、年齢や生活の変化に合わせて、働き方を選べる状態をつくっておくことではないでしょうか。

副業は、作業療法士を辞めるための準備ではありません。

将来、今と同じ働き方が難しくなったときにも、自分で働き方を選べるようにするための練習です。

65歳になってから突然新しい仕事を探すのではなく、現在の仕事を続けながら、今から少しずつ別の働き方を試しておく。

私はそれを、将来の自分に選択肢を残すための準備だと考えています。

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